北海道そばの名産地、幌加内と新得の違い:歴史・特徴・おすすめ商品を比較
北海道は、全国でも特にそばの生産が盛んな地域です。冷涼な気候や昼夜の寒暖差を生かし、道内各地で特色あるそばが育てられています。なかでもよく知られているのが、上川地方の幌加内町と、十勝地方の新得町です。幌加内町は、国内有数の作付面積を誇る大規模なそば産地。一方の新得町は、開拓期から続く歴史と、製粉・製麺を通じて広く親しまれてきた「新得そば」のブランドで知られています。
では、幌加内そばと新得そばには、どのような違いがあるのでしょうか。歴史や自然環境、生産体制、商品の特徴から、二つの産地の魅力を比較します。
幌加内そばと新得そばの違いを比較
幌加内そばの歴史:転作をきっかけに発展した大産地
幌加内町でそばの作付けが本格化したのは、1970年代です。米の生産調整を背景に、米に代わる作物としてそばが選ばれました。幌加内町は冷涼で、昼夜の寒暖差が大きく、朝霧も発生する地域です。こうした自然条件がそば栽培に適していたことから作付面積が増加し、1980年には市町村別の作付面積で日本一になりました。現在の幌加内町では、畑の排水対策や収穫時間の管理に加え、収穫した玄そばを乾燥調製施設へ一元的に集荷。急激な高温乾燥を避け、段階的に乾燥させることで、品質の安定を図っています。
さらに、冬に積もった雪を活用する利雪型低温倉庫「雪乃御殿」を整備するなど、収穫後の保管にも地域ならではの工夫が取り入れられています。幌加内そばの大きな強みは、広大な作付面積だけではありません。栽培から乾燥、保管、加工まで、産地全体で品質向上に取り組んでいる点にあります。
新得そばの歴史:開拓とともに歩んできた十勝のそば文化
新得町のそば栽培は、町の開拓が始まった1899年ごろまでさかのぼります。冷涼な地域でも育てやすく、生育期間が比較的短いそばは、開拓当時の人々にとって大切な作物の一つでした。その後、新得のそばは鉄道を利用する人々などを通じて知られるようになり、地域を代表する特産品へと成長していきます。新得町では、ボタンそば、キタワセそば、レラノカオリなどが栽培されています。町内のそば生産者は、全国そば生産優良経営表彰において、複数回にわたり農林水産大臣賞を受賞しています。
また、新得町にはそば店やそば打ち体験施設があり、新そばの季節にはイベントも開催されます。栽培だけでなく、製粉、製麺、飲食、体験まで含めてそば文化が育まれてきたことが、新得町の特徴です。
気候だけではない、二つの産地の違い
幌加内町と新得町には、いずれも冷涼な気候や昼夜の寒暖差があります。したがって、単純に「幌加内は繊細、新得は力強い」と味を分けるのは適切ではありません。違いが表れやすいのは、産地として発展してきた経緯と、収穫後の加工・流通の仕組みです。
幌加内町は大規模生産と品質管理が特徴
幌加内町では、収穫した玄そばを専用施設に集め、乾燥や調製、保管を行っています。生産量の多い産地でありながら、品質を安定させるための設備と管理体制を整えてきました。町内では石臼挽きのそば粉や乾麺などの加工も行われており、生産地としての規模と加工技術の両面から「そばの里」を形成しています。

新得町は製粉・製麺と商品化に強み
新得町では、地域で育てたそばを製粉し、乾麺などの商品として届ける取り組みが発展してきました。新得物産は1974年に設立され、製粉から製麺までを一貫して行う体制を構築。家庭で保存しやすく、調理しやすい乾麺を通じて、新得そばを北海道内外へ広めてきました。工場に隣接する施設では、そば打ち体験や食事を楽しむこともでき、産地を訪れる人にそば文化を伝えています。
幌加内そばと新得そば、味の違いは?
そばの味や香りは、産地だけで決まるものではありません。品種のほか、そば粉の挽き方、そば粉と小麦粉の配合、麺の太さ、乾燥方法などによって大きく変わります。そのため、幌加内そばと新得そばを比べる際は、地域のイメージだけでなく、商品ごとの原材料や製法を確認することが大切です。
例えば、そば粉の割合が高い商品は、一般的にそばらしい風味を感じやすい一方、つなぎとなる小麦粉を適度に配合した商品には、ゆでやすさや滑らかな喉越しを楽しみやすいものがあります。
また、韃靼そばには普通そばとは異なる特有の風味があり、商品によってはほのかな苦みを感じることがあります。初めて食べ比べる場合は、同じ条件でゆで、まずは冷たいそばで味わうと、それぞれの違いを確かめやすいでしょう。

幌加内そばを取り寄せるなら「開墾極そば」
幌加内そばを家庭で楽しむなら、そばの坂本が原料を手掛ける「幌加内産 開墾極そば」があります。使用しているのは、幌加内産キタワセ種のそば粉。そば粉5割と北海道産小麦粉5割を配合した、つゆ付きの乾麺です。そば粉は、摩擦熱を抑えるよう石臼でゆっくり挽いています。五割そばのため、そばの風味と滑らかな喉越しのバランスを楽しみやすく、乾麺なので常温で保存しやすいことも特徴です。
そばの坂本では、自社畑でそばを栽培し、収穫後の製粉まで行っています。代表の坂本勝之さんはそば打ち六段位の認定を受け、そば打ちの指導などにも携わっています。まずはざるそばにして、わさびやねぎなどの薬味を添え、麺そのものの風味を味わうのがおすすめです。
新得そばを取り寄せるなら「韃靼そばと源流そばセット」
新得物産の「韃靼そばと源流そばセット」は、2種類の北海道産そばを食べ比べられる乾麺の詰め合わせです。「新得韃靼そば」には、韃靼そばの品種「満天きらり」が使われています。韃靼そばならではの、ほのかな苦みを含む風味が特徴です。「源流新得そば」は、北海道産の玄そばを自社製粉して仕上げた乾麺。どちらの麺にも食塩を使用していないため、ゆで湯をそば湯として楽しめます。
製粉から製麺までを一貫して行い、冷風低温乾燥によって仕上げていることも特徴です。冷たいざるそばはもちろん、温かいかけそばや年越しそばにも使えます。
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幌加内そばと新得そばは、どちらがおすすめ?
どちらが優れているかではなく、商品や食べ方に合わせて選ぶのがおすすめです。幌加内産のそば粉を使った、風味と喉越しのバランスがよい五割そばを試したい方には「開墾極そば」が向いています。つゆ付きで調理しやすく、そばに慣れていない方にも選びやすい商品です。
一方、普通そばと韃靼そばを食べ比べたい方や、食塩不使用の乾麺を探している方には、新得物産の「韃靼そばと源流そばセット」が適しています。
両方を同じ食べ方で用意し、香りや食感の違いを比べてみるのも、北海道そばならではの楽しみ方です。

北海道を代表する二つのそば産地を食べ比べよう
幌加内町は、1970年代の転作をきっかけに作付面積を拡大し、大規模な乾燥・調製・保管体制を築いてきました。新得町では、開拓期から続くそば栽培の歴史を背景に、製粉や製麺、乾麺の商品化を通じて独自のそば文化が育まれています。
両町は同じ北海道のそば産地でありながら、発展してきた歴史や商品づくりへの取り組みが異なります。優劣を決めるのではなく、それぞれの背景を知ったうえで食べ比べれば、一杯のそばをより深く味わえるはずです。








