食用油の選び方と健康への影響:良い油・悪い油を知って、賢く使う方法

食用油の選び方と健康への影響:良い油・悪い油を知って、賢く使う方法

軽く見ていませんか?「食用油」はとても重要です!

スーパーで数多くの種類が売られている「食用油」。かつてはサラダ油、ごま油、オリーブオイルぐらいしか種類はありませんでしたが、20年ほど前からいろいろな油が発売されるようになりました。揚げ物や炒め物、自家製ドレッシングなど、様々な調理に必要な「油」ですが、人間の体にとってはとても重要なのです。

「食用油の基礎知識:飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の違いと主な油の種類

食用油は脂肪酸でできていますが「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」により分類されます。飽和脂肪酸の油は動物由来のバターやラード、チーズ、マーガリンのほかココナッツ油、パーム油などです。酸化しにくく、加熱料理に適しています。一方不飽和脂肪酸を多く含む油はイワシやサンマ、サバなどの青魚類やオリーブ油、ゴマ油などです。

不飽和脂肪酸の詳細解説:オメガ3、6、9の特徴と健康効果

不飽和脂肪酸は、さらにオメガ3系(α-リノレン酸、DHA、EPA)、オメガ6系(リノール酸)、オメガ9系(オレイン酸)によりさらに細分化されます。同じオメガ3系でもα-リノレン酸はエゴマ油やアマニ油に含まれ、DHA、EPAは魚類に含まれており、一般的に「体によい油」とされています。体内では生成されない必須脂肪酸です。

オメガ6系の脂肪酸解説:食品への含有と健康への影響

オメガ6系は微妙です。サラダ油や大豆油、コーン油、これらを使って調理したカップ麺、ファストフードに多く含まれ、一般的な食用油と言えばこれを指します。オメガ6系のリノール酸も、体内で生成できない必須脂肪酸です。体の組織が正常に機能する上で欠かせない成分で、不足すると皮膚障害などが起こります。半面、摂りすぎると免疫機能に支障をきたし、アレルギー疾患を引き起こす可能性もあると指摘されています。

オメガ9系のオレイン酸とオリーブオイルの選び方:健康効果と購入時の注意点

オメガ9系は菜種油やオリーブオイル、紅花油などです。オレイン酸は心疾患や動脈硬化のリスク軽減、またダイエットにも効果が期待できます。ただオリーブオイルを購入する際は注意が必要です。オリーブオイルの大半は輸入で、日本の法律や規制が及びません。輸出国の段階からすでに品質が劣化しているものやほかの油が混ざっているとの指摘もあります。本来エクストラバージンオイルは高価な油なので、格安のオイルは要注意です。メーカーや認証マーク、酸度、容器などをしっかりチェックしてください。

ところでサラダ油って何?

ここで「ではサラダ油はどうなの?」という疑問を浮かべる人もいるでしょう。日本で人気のサラダ油は菜種、大豆、トウモロコシ、ひまわり、ごま、紅花などの植物の種子から精製される食用油の総称で、オメガ6系に属します。「サラダにかけて(生でも)食べられる油」というのが名前の由来です。

サラダ油の正体:日本の人気油とオメガ6系の関係

「植物油脂」は食品の成分表でよく見かける油です。この正体は南国のアブラヤシから取る「パーム油」です。製造過程で「トランス脂肪酸」が発生します。トランス脂肪酸を多く摂りすぎると悪玉コレステロールを増やし、動脈硬化を進行させ、狭心症や心筋梗塞などの心臓病のリスクを高めるという研究報告があります。

植物油脂の摂取:現代食の中での存在と適切な摂取の重要性

かといって、今私たちの生活から植物油脂を排除するというのは現実的ではありません。チョコレートやポテトチップス、スナック菓子など大半の菓子類、カップ麺やインスタントラーメン、マーガリン、カレーのルー、お惣菜の揚げ物、菓子パンなど、さまざまな加工食品に植物油脂が使われています。すでに摂らないわけにはいかない状況になっているので、「摂りすぎには注意」ということです。

終わりに

一口に「食用油」といっても原料によっていろいろな種類があり、その種類の違いから体への影響もさまざまです。味だけを追求するのではなく、体にいい油を選び、「適量」を心がけたいのです。

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