リンゴの世界: 日本のリンゴ発祥の地から栄養効果、栽培技術、そして2060年代の予想まで

リンゴの世界: 日本のリンゴ発祥の地から栄養効果、栽培技術、そして2060年代の予想まで

リンゴ栽培発祥の地は北海道・余市町

リンゴといえば青森、青森と言えばリンゴ、と言われるぐらい、青森県はリンゴの生産量が全国の半数以上でダントツ。以下長野県、岩手県…と続きます。しかし、リンゴ栽培の歴史と言えば「北海道の果樹園」とも言われる余市(よいち)町が日本で初めてリンゴの栽培に成功した場所であり、日本におけるリンゴ発祥の地でもあるのです。

北海道や青森をはじめとしたリンゴの栽培適地とその熟し方の特徴

リンゴは上記の産地からお分かりの通り、涼しい気候を好みます。春から夏にかけて甘みと酸味を増し、夏から秋にかけて酸味が抜けて甘味が残ります。この熟し方に適した気温は年平均気温6~14度といわれます。北海道や青森のほか、関東以北でも高地であれば、リンゴ栽培の適地となります。

 

2060年代のリンゴ栽培予想: 地球温暖化で北海道が主要産地に?農研機構の研究結果

国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)の研究によると「地球温暖化により、リンゴ栽培に適するのは、2060 年代には北海道全域に広がり、東北地方の平野部のほぼ全域は範囲外となる」と予想しています。将来は、北海道以外ではリンゴ栽培ができなくなる可能性があるということです。

 

リンゴの驚きの栄養成分と健康効果: 「医者いらず」の真実とは?

 

西洋には「リンゴは医者いらず」という格言があります。リンゴを食べていれば病気にならないということです。リンゴにはビタミンA、ビタミンC、カリウム、ペクチン、ポリフェノール、クエン酸やリンゴ酸など豊富な栄養成分が含まれています。期待できる効能としては新陳代謝を良くして疲労回復を促す。また、炎症を鎮める作用もあるため、胃腸の調子を整え、さらに大腸がんを抑制し、腸内環境を改善し、便秘の解消にもつながります。

 

リンゴの皮に隠された驚くべき健康効果: プロシアニジンの肥満予防と抗酸化作用

そして、リンゴにはプロシアニジンと呼ばれるポリフェノールが含まれており、活性酸素を抑え、老化やガンの予防に効果があるほか、体内の脂肪の蓄積を抑制し、糖分や脂質の代謝を促すことで肥満予防にも効果があると言われています。ただこれらの成分はあくまで「皮付き」で計測したものです。リンゴは皮と皮の近くの部分に栄養素が多いのです。

 

日本のリンゴ2000種類の多様性: 「サンふじ」や「サンつがる」の名前の意味とは?

リンゴの銘柄は「ふじ」「つがる」「ジョナゴールド」など日本で栽培されている品種は2000種類と言われています。全種類を制覇した人はいるのでしょうか?そのリンゴの名前の前に「サン」が付いているのをよく見かけます。「サンふじ」「サンつがる」などです。この「サン」は「SUN」、つまり太陽のことです。

 

リンゴ栽培の裏側: 袋を被せる理由と「サン〇〇」の太陽浴びの真実

リンゴを栽培するうえで、害虫からリンゴを守るために木に実っているリンゴ1つ1つに袋を被せます。袋の効果は虫がつかないだけではなく、皮が滑らかになり、見た目にも美しくなるという効果があるのです。一方で、袋を被せずに太陽(SUN)の光をたっぷり浴びて育ったリンゴを「サン〇〇」と呼んでいるのです。リンゴそのものは同じ種類です。

 

無袋リンゴと有袋リンゴの違いと魅力: 高糖度と保存性のバランスを知る

無袋で育てられたリンゴは、見た目は良くありませんが、太陽の光を直接浴びることから糖度が高く、香りもよくなります。また、品種によっては蜜も入るので、人気が高まっています。有袋リンゴは見た目が美しくなるほか、皮が薄いので皮付きでも食べやすく、長期間の貯蔵が可能になるというメリットがあります。一年を通してリンゴを食べられるのはリンゴを包む袋のおかげです。

豆知識:

最新のリンゴの貯蔵方法として「CA」と言われる技術があります。CAは「コントロール・アトモスフェア」の略で、貯蔵庫内の気体をコントロールする技術です。貯蔵庫内の空気から酸素を取り除き二酸化炭素の濃度を上げます。そうすることでリンゴは呼吸できなくなり、酸化が抑制され、つまりは“老化”を遅らせることになります。

 

さて当サイト「食ベレア北海道」でも北海道の大地で太陽の光をたっぷり浴びて育った「サンふじ」を扱っています。発祥の地・余市で育った美味しくて栄養たっぷり、元気いっぱいの北海道のリンゴをご賞味ください。

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