ニシン来たかと〇に問えば、わたしゃ立つ鳥、波に聞けチョイ

ニシン来たかと〇に問えば、わたしゃ立つ鳥、波に聞けチョイ

ニシン

北海道を代表する民謡「ソーラン節」にも歌われているニシン。漁師たちはカモメの様子でニシンの到来がわかったと言われています。北海道の日本海側で明治から大正を経て、昭和初期まで、盛んに獲れていましたが、その後突然姿を消し去りました。そして半世紀余りの時を経て、ここ数年は復活の兆しが見えてきています。

 

今も残る鰊御殿

ニシンは日本の東北から北の海域のほか、北太平洋、ヨーロッパにも生息しています。最盛期は「江差の春は江戸にもない」といわれたほど、江差を中心に道南の沿岸の町は江戸をしのぐ賑わいを見せていました。今でも網元の住宅は「ニシン御殿」として、10カ所以上残っており、観光地などになっています。

 

放卵前に漁獲

ニシンは産卵のために、沖合から沿岸に寄ってきます。雌が海藻に卵を産み付けると、雄は精子を放ち、海の色が白く濁るのを「群来(くき)」といいます。群来が現れると本格的なニシン漁が始まります。雌が産卵する前に獲らなければ、貴重な「数の子」を得られないので、漁期に入ると漁師たちは大忙しです。

 

数の子は子宝の縁起物として価格が高騰

ニシンの卵は粘着性があり、昆布に産み付けられたら波や潮には流されません。これは「子持ち昆布」として珍重されています。雌のお腹にある数の子は、ニシン漁が衰退した後、「黄色いダイヤ」と呼ばれ価格が高騰ました。特に年末年始はお正月のおせちには欠かせない縁起物として、投機的に在庫を抱える水産会社もあったほどです。

 

にしんそばは京都が発祥

明治の時代、ニシンは北前船に積み込まれ日本海ルートで本州へ運ばれました。冷凍、冷蔵の技術はないので、干したり塩漬け加工が主でした。身欠きニシンをかけそばに乗せた「にしんそば」は北海道ではなく、京都で誕生した名物料理です。

 

国産数の子は超レア商品

最近の数の子のほとんどは輸入品です。醤油に漬けた比較的柔らかいタイプはオランダやドイツなど、ヨーロッパ産のニシン、また黄色っぽく硬い、従来から日本で親しまれてきたタイプは北米、カナダ、ロシア産のニシンの子です。国産のニシンから取れる数の子は、その量の少なさから「幻の中の幻」と言えます。

 

獲りすぎが原因?

ニシン漁の不振が続くと、かつての繁栄は見る影もなくなりました。原因は不明ですが、やはり、抱卵したメスを無計画に獲っていたからだという説が当たっているように思えます。ヨーロッパでは日本のニシン漁の不振を他山の石として、漁獲量を制限するなど、資源の保護に努め、今もなお安定した漁が可能です。

 

半世紀ぶりに「群来」

北海道では10年ほど前に、半世紀ぶりに「群来」が現れ、大きなニュースになりました。以後毎年少しずつですが、ニシンが獲れるようになっています。地元漁業関係者が地道に放流事業を継続した効果が表れ始めたのです。とはいえ、まだ最盛期の足元にも及ばない量で、「復活とは言えない」と分析する専門家もいます。いずれにしろ、かつてのような繁栄にはまだ時間がかかりそうです。

 

ニシンを知り尽くした水産加工場

北海道の日本海沿岸部にはニシンの加工技術の高い水産加工会社が今も数多くあります。輸入のニシンも獲ってすぐに船で冷凍するので鮮度に変わりはありません。ニシンを知り尽くした水産会社の珍味をぜひ味わってください。

 

昔から地元で食べられてきた食文化を次世代へ。

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