豚が元気になって肉質もよくなる「ホエー」って何者？

廃棄物として扱われる「ホエー」

チーズやヨーグルトなどの乳製品を製造する過程でできる「ホエー（乳清）」って知ってますか？一般的には「廃棄物」の扱いですが、豚などの家畜に与えると肉質が柔らかくなることが知られています。今回はホエーについて語っていきます。

チーズやヨーグルト製造に大量に出るホエー

ホエーは多くの人の身近に存在します。ヨーグルトのふたを開ければ、固まっている部分と液体が分離しています。その液体がホエーです。またチーズを作るときの最初の行程で、牛乳にレンネットという酵素を入れ、液体と固形物に分離させますが、その時は大量にホエーが生まれます。

栄養豊富なホエー

ホエーは単なる白濁した酸っぱい水ではありません。乳脂肪やカゼイン（乳たんぱく）は取り除かれますが、ホエーには炭水化物やミネラル、ビタミンなどは乳とほぼ同量が含まれており、低カロリーで栄養面でもとても優れている液体なのです。最近はホエーを原料とした「ホエープロテイン」も販売されています。

自宅でも作れて料理にも使える

ホエーは自宅でも簡単に作ることができます。牛乳に酢を少々入れるだけで分離します。目の細かいざるか布で濾すとホエーができます。またヨーグルトを布で濾すと水切りヨーグルトとして濃いヨーグルトができますが、その際にでる液体がホエーです。ホエーはパンやケーキ、カレー、スープ、ドレッシング、漬物など、幅広く家庭料理に利用できます。

豚に与えてブランド創出

さて、このホエーを家畜に飲ませたり餌に混ぜて与えている養豚農家もあります。古くからイタリアのパルマ地方の伝統食品である「パルマハム」は、このホエーを与えた豚の肉で作られます。日本の養豚業者もパルマに習って、「ホエー豚」というブランド豚を作っているところがあります。

肉質へ効果抜群のホエー

ホエーを与えるメリットとして、廃棄物が再利用されるということはもちろん、豚自身が元気に健康に育つほか、肉質は口当たりの良い不飽和脂肪酸を多く含み、さらに保水力が高まるので、焼いても蒸してもやわらかく、肉汁がジューシーになります。

チーズ工房と養豚業の連携不可欠

ただ、チーズ製造と養豚業の両方を経営している農家はめったにありません。養豚農家がホエーを得るにはチーズ工房との連携が必要になります。北海道には小規模のチーズ工房が数多く点在しており、ホエーを比較的容易に得られる環境にあります。北海道にホエー豚を生産する養豚業者が多いのもうなずけますね。

ぜひ一度、北海道のブランド豚「ホエー豚」を食べてみてください。

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ホエーを使って干物魚も

また魚をホエーに漬けて干す干物も人気です。ホエーに漬けることで生臭さが抑えられ、身がやわらかくふっくらします。ホエーを活用した食べ物として、こちらもぜひお試しください。→商品の購入はこちらから

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