北海道産の天然昆布で味わう本格だし|昆布の種類や選び方、おいしい取り方を解説
和食の味を支える「だし」。味噌汁やお吸い物、煮物、鍋料理など、毎日の食卓で幅広く使われています。なかでも昆布は、うま味成分であるグルタミン酸を含み、料理にまろやかなコクと奥行きを加えてくれる食材です。昆布だしは香りや味の主張が強すぎないため、素材本来の風味を生かしたい料理にも適しています。一方、北海道のコンブ生産量は長期的に減少傾向にあります。北海道では、生産の安定化に向けて、漁場環境の改善や担い手不足への対応などが進められています。この記事では、昆布からだしが取れる理由や北海道産昆布の種類、おいしい昆布だしの取り方、食べレア北海道で取り扱う商品について紹介します。
昆布が「だし」に適している理由
昆布に含まれるグルタミン酸
昆布だしのうま味を生み出している主な成分が、アミノ酸の一種であるグルタミン酸です。グルタミン酸は、甘味・酸味・塩味・苦味と並ぶ基本味の一つである「うま味」を構成する成分として知られています。昆布を水に浸したり、適切な温度で加熱したりすることで、昆布に含まれるグルタミン酸などの成分が水中に溶け出します。また、昆布のグルタミン酸とかつお節のイノシン酸を組み合わせると、「うま味の相乗効果」が生まれます。そのため、昆布とかつお節を使った合わせだしは、少ない調味料でも味に深みを出しやすいのが特徴です。

乾燥によって保存性とだしの取りやすさが高まる
収穫された昆布は、天日干しや乾燥機などによって水分を減らし、乾燥昆布に加工されます。乾燥させることで保存性が高まり、昆布に含まれる成分を水に抽出しやすくなります。商品によっては、乾燥後に形を整え、選別や熟成を経て出荷されます。昆布の表面に見られる白い粉は、主にマンニトールと呼ばれる糖アルコールなどの成分です。カビとは限らないため、基本的には強く洗い流す必要はありません。表面の汚れが気になる場合は、固く絞った布巾で軽く拭く程度にしましょう。
ワカメやひじきと昆布は何が違う?
昆布、ワカメ、ひじきはいずれも海藻ですが、それぞれ味や食感、適した料理が異なります。昆布はグルタミン酸を多く含み、だしを取る用途に適しています。一方、ワカメは味噌汁や酢の物、サラダなど、食感を楽しむ料理によく使われます。ひじきは煮物や炊き込みご飯などに向いています。ワカメやひじきからも成分や風味は溶け出しますが、昆布だしと同じ味になるわけではありません。「昆布以外の海藻ではだしを取れない」と言い切るのではなく、それぞれの海藻に適した使い方があると考えるのが適切です。

北海道のコンブ生産が減少している背景
北海道は、日本を代表するコンブの生産地です。羅臼昆布、利尻昆布、真昆布、日高昆布、長昆布など、地域によって異なる種類の昆布が生産されています。しかし、北海道のコンブ生産量は長期的に減少しています。北海道は、2024年の生産量が統計開始以来初めて1万トンを下回る見込みとなったことを受け、2024年8月に「コンブ生産安定対策検討会議」を設置しました。2025年3月には、生産安定に向けた対策を取りまとめています。
海洋環境の変化
コンブの生育には、水温だけでなく、海水中の栄養塩、海流、波、母藻の有無など、複数の条件が関係します。北海道立総合研究機構の研究では、北海道日本海南部の磯焼けについて、冬季の水温上昇に伴う栄養塩の変化や、ウニなどによる食害、コンブの遊走子を供給する母藻の不足など、複数の要因が関係していると説明されています。そのため、コンブの減少を海水温だけが原因であると断定することはできません。地域や海域ごとの環境に合わせた対策が必要です。
漁業従事者の減少と作業負担
天然コンブ漁では、収穫だけでなく、昆布を干場に並べる作業、乾燥後の選別、形を整える作業など、多くの工程を人の手で行います。天候を確認しながら短期間で作業を進めなければならず、作業負担の軽減や担い手の確保も重要な課題です。北海道では、漁場造成や養殖技術の改善だけでなく、省力化や人材確保を含めた生産安定対策が検討されています。

だし用昆布と食べる昆布の違い
昆布は、種類や収穫時期、加工方法によって適した用途が異なります。羅臼昆布や利尻昆布、真昆布などは、一般にだし用として利用されています。一方、日高昆布や長昆布、早煮昆布などは、だしだけでなく、昆布巻きや煮物などにも使いやすい昆布です。ただし、「早煮昆布や長昆布には、うま味成分がほとんど含まれていない」というわけではありません。葉が薄く火が通りやすいため、昆布そのものを食べる料理に向いていると考えるとよいでしょう。濃厚なだしを取りたいのか、煮物として昆布も食べたいのかによって選ぶ商品が変わります。
食べレア北海道で取り扱う北海道産昆布
北海道の産地直送ECサイト「食べレア北海道」では、だし用から料理に使いやすい昆布まで、北海道ならではの商品を取り扱っています。
天然羅臼昆布M(3等級)化粧箱入り
羅臼昆布は、主に知床半島の羅臼沿岸で生産される昆布です。一般に葉に厚みがあり、コクのある濃厚なだしが取れる昆布として知られています。だしにはやや黄色みが出ることがあり、香りと味がしっかりしているため、味噌汁、鍋物、麺類のつゆ、おでん、煮物などにおすすめです。「天然羅臼昆布M(3等級)化粧箱入り」は、家庭用はもちろん、昆布を料理に使う方への贈り物にも利用しやすい商品です。なお、昆布の等級は、産地ごとの基準に基づき、色、幅、厚み、形状、傷の状態などを総合して選別されます。等級だけで味の優劣が決まるわけではなく、用途や予算に合わせて選ぶことが大切です。
森の昆布セット
「森の昆布セット」は、北海道釧路町の昆布森地区で生産・加工された昆布商品を詰め合わせたセットです。だしを取る昆布だけでなく、煮物や日々の料理に使える商品も楽しめるため、昆布の食べ方を広げたい方に向いています。セット商品の内容は販売時期によって変更される場合があります。購入前に商品ページで内容量や種類、保存方法をご確認ください。
家庭でできる、おいしい昆布だしの取り方
昆布だしは、基本的なポイントを押さえれば家庭でも簡単に取れます。

基本の水出し昆布だし

水出しは、昆布を水に浸しておくだけの手軽な方法です。
【材料】
・水:1L
・昆布:10g程度
【作り方】
- 昆布の表面を、固く絞った布巾で軽く拭きます。
- 保存容器に水と昆布を入れます。
- 冷蔵庫で3時間から一晩ほど置きます。
- 昆布を取り出します。
夜に準備しておけば、翌朝の味噌汁や煮物に使えます。作っただしは冷蔵庫で保存し、できるだけ早めに使い切りましょう。
加熱して取る昆布だし

短時間でだしを取りたい場合は、鍋でゆっくり加熱します。
【材料】
・水:1L
・昆布:10g程度
【作り方】
- 鍋に水と昆布を入れ、30分ほど浸します。
- 弱火にかけ、ゆっくり温度を上げます。
- 鍋底に小さな泡が出てきたら、沸騰する前に昆布を取り出します。
昆布を強く煮立てると、ぬめりや海藻特有の風味が出やすくなります。透明感のあるすっきりしただしに仕上げたい場合は、沸騰前に取り出す方法が基本です。低温で時間をかけて抽出する方法もありますが、家庭で毎回60℃を長時間維持する必要はありません。料理や使える時間に合わせて、水出しと加熱法を使い分けましょう。
塩や調味料は、だしを取った後に加える
昆布だしは、昆布を取り出してから塩、味噌、しょうゆなどで味を調えます。お吸い物の場合は、完成時の塩分濃度を0.6~0.8%程度にすると、一つの目安になります。ただし、しょうゆや具材にも塩分が含まれるため、最初から塩をすべて入れず、味見をしながら少しずつ調整しましょう。味噌汁の場合は、昆布だしを取った段階で塩を加える必要はありません。具材に火を通した後、最後に味噌を溶き入れます。
だしを取った後の昆布も料理に活用
だしを取った後の昆布にも食物繊維などが残っています。捨てずに、次のような料理に活用できます。
・細切りにして佃煮にする
・刻んで炊き込みご飯に加える
・しょうゆや酢で味付けして昆布の酢の物にする
・煮物やおでんの具材に加える
・冷凍保存し、ある程度たまってからまとめて調理する
だしを取った昆布は傷みやすいため、すぐに使わない場合は水気を切り、冷凍保存するのがおすすめです。
北海道産昆布を料理に取り入れよう
北海道産昆布は、味噌汁やお吸い物だけでなく、鍋物、煮物、炊き込みご飯、麺類のつゆなど、幅広い料理に使えます。昆布だしの魅力は、強い味を加えるのではなく、食材の味を支えながら料理全体に奥行きを与えてくれることです。調味料を多く使わなくても味がまとまりやすく、毎日の家庭料理にも無理なく取り入れられます。
北海道のコンブ生産を取り巻く状況は厳しさを増していますが、消費者が産地や用途を理解して商品を選び、継続的に利用することも、生産地を支える方法の一つです。食べレア北海道では、濃厚なだしを楽しめる羅臼昆布や、さまざまな昆布料理を試せるセット商品を取り扱っています。料理の用途に合った北海道産昆布を選び、家庭で本格的なだしの味わいを楽しんでみてください。









