じゃがいもの正しい保存方法:常温・冷蔵・冷凍の違いと保存期間、芽・緑化の注意点
カレーや肉じゃが、ポテトサラダ、コロッケ、フライドポテトなど、家庭料理に欠かせない「じゃがいも」。
比較的日持ちする野菜というイメージがありますが、
「じゃがいもは冷蔵庫に入れた方がいい?」
「常温ならどこに置けばいい?」
「箱でたくさん届いたらどう保存する?」
「芽が出たり、皮が緑色になったりしても食べられる?」
と迷うことも多いのではないでしょうか。
じゃがいもは、保存する場所や温度、光の当たり方によって、芽が出たり緑色に変化したりすることがあります。
この記事では、じゃがいもの正しい保存方法を常温・冷蔵・冷凍別に解説。さらに、北海道産じゃがいもを5kg・10kgなどまとめて購入した場合の保存方法や、新じゃがの扱い方についても紹介します。
【結論】じゃがいもは「暗く・涼しく・風通しのよい場所」で保存するのが基本
じゃがいもは、基本的には冷蔵庫ではなく、光が当たらない、涼しくて風通しのよい場所で保存します。
農林水産省でも、じゃがいもは暗く、涼しく、通気性のよい場所で保存することを推奨しています。
ただし、夏場など室温が高く、家庭内に適した場所がない場合は、冷蔵庫の「野菜室」を活用する方法もあります。
まずは保存方法を簡単に整理してみましょう。
| じゃがいもの状態 | おすすめの保存方法 | 保存期間の目安 |
|---|---|---|
| 丸ごとのじゃがいも | 冷暗所で常温保存 | 数週間~2、3か月程度※ |
| 夏場・室温が高い場合 | 冷蔵庫の野菜室 | 約1か月※ |
| カットしたじゃがいも | 水に浸して冷蔵 | 1~2日程度 |
| 長く保存したい場合 | 冷凍保存 | 約1か月を目安に早めに使用 |
| 新じゃが | 冷暗所または野菜室 | 1週間程度を目安に早めに |
| 芽が出たもの | 芽と周囲を十分に除去 | 状態を確認して早めに調理 |
※保存期間は購入時の状態、収穫からの経過期間、保存環境などによって大きく異なります。長期間保存することを前提とせず、定期的に状態を確認して早めに使い切りましょう。
じゃがいもを保存する前に確認したい3つのポイント

購入したじゃがいもや、通販で届いたじゃがいもをそのまま収納する前に、一度状態を確認しておきましょう。
1.芽が出ていないか確認する
じゃがいもの芽やその根元には、天然毒素である「ソラニン」や「チャコニン」が多く含まれることがあります。
芽が出ている場合は、芽だけを折るのではなく、根元や周囲の部分も含めてしっかり取り除くことが重要です。
2.皮が緑色になっていないか確認する
じゃがいもは光に長時間当たると皮が緑色になることがあります。
緑色そのものは葉緑素(クロロフィル)の色ですが、緑色になったじゃがいもではソラニンやチャコニンが増えている可能性があります。
緑色になった部分がある場合は、緑色がなくなるまで周囲を含めて厚めに皮をむきましょう。
広範囲に緑色になっているものや、調理後に強い苦味・えぐみを感じる場合は、無理に食べないことも大切です。
3.傷や傷みがないか確認する
表面に大きな傷があるもの、強くぶつけた跡があるもの、柔らかく傷んでいるものは、長期保存には向きません。
状態のよいじゃがいもと分け、傷のあるものから優先して使いましょう。
カビ、腐敗、異臭、汁が出ているなど明らかな傷みがある場合は食べずに処分してください。
じゃがいもの常温保存方法

基本は「光を遮る・涼しくする・蒸らさない」
じゃがいもを家庭で保存する場合、もっとも重要なのが「光」です。
弱い光でも長時間当たり続けると緑化につながるため、できるだけ暗い場所を選びましょう。
保存方法は簡単です。
- じゃがいもの土や汚れを軽く落とす
- 洗わずに乾いた状態で保存する
- 新聞紙やキッチンペーパーなどで包む
- 紙袋や段ボールなどに入れる
- 光が当たらず、風通しのよい涼しい場所に置く
ビニール袋などに密閉したまま置くと、内部に湿気がこもることがあります。
完全に密閉するのではなく、適度に通気を確保しましょう。
保存温度は10℃前後の涼しい環境が目安
農林水産省では、じゃがいもは20℃以上になると発芽や腐敗が起こりやすくなるため、10℃くらいの涼しい場所が好ましいとしています。
秋から春にかけては、暖房の影響を受けにくい収納や冷暗所などが候補になります。
ただし、
- 暖房器具の近く
- 日が当たる場所
- 温度変化の激しい場所
- 湿気がこもる場所
は避けましょう。
夏のじゃがいもはどう保存する?暑い時期は野菜室を活用

「常温保存が基本」といっても、日本の夏は室温が高くなります。
家庭内に涼しい場所がない場合は、無理に常温保存せず、冷蔵庫の野菜室を活用しましょう。
野菜室での保存方法
じゃがいもを1~3個程度ずつ新聞紙やキッチンペーパーで包み、ポリ袋や保存袋に入れて野菜室へ入れます。
紙で包むことで乾燥を抑えやすくなります。
ただし、じゃがいもは低温で長期間保存すると糖の濃度が高くなることがあります。
その状態のじゃがいもを高温で揚げたり炒めたりすると、「アクリルアミド」という物質が生成される量が増える可能性があります。
長期間低温で保存したじゃがいもは、揚げる・焼くよりも、煮る・蒸すなど高温になりすぎない調理方法を選ぶとよいでしょう。
冬のじゃがいも保存も「冷えすぎ」に注意
冬はじゃがいもの保存に向いている季節ですが、「寒ければ寒いほどよい」というわけではありません。
北海道など寒冷地では、玄関や物置、屋外に近い場所が想像以上に冷え込み、凍結することがあります。
凍ったじゃがいもは組織が壊れ、解凍すると食感が大きく変わってしまいます。
暖房が直接当たらず、かつ凍結しない、温度変化の少ない場所を選びましょう。
じゃがいもの芽を出にくくする保存のコツ
じゃがいもの芽を完全に止めることはできませんが、保存環境を整えることで発芽を遅らせることはできます。
光をしっかり遮る
もっとも大切なのは遮光です。
紙袋や新聞紙、段ボールなどを使い、じゃがいもに光が当たり続けないようにしましょう。
透明なビニール袋だけで保存するのはおすすめできません。
高温になる場所を避ける
暖房器具の近くや夏場のキッチンなど、室温が高くなる場所では発芽や傷みが進みやすくなります。
できるだけ涼しい場所を選びましょう。
定期的に状態をチェックする
箱の中に傷んだじゃがいもがあると、周囲のじゃがいもの状態も悪くなりやすくなります。
数日に一度、または料理に使うタイミングで、
- 芽
- 緑化
- カビ
- 腐敗
- 強いしなび
- 異臭
などがないか確認しましょう。
カットしたじゃがいもの保存方法
皮をむいたりカットしたりしたじゃがいもは、丸ごとのじゃがいもほど長く保存できません。
空気に触れると褐色に変色しやすくなるため、すぐに調理しない場合は水に浸して冷蔵庫で保存します。
保存方法
- じゃがいもの皮をむいてカットする
- 保存容器に入れる
- じゃがいもが浸かる程度の水を加える
- ふたをして冷蔵庫へ入れる
1~2日程度を目安に、できるだけ早く使い切りましょう。
長く水に浸しておくと風味や食感にも影響するため、「数日後に使う予定だから」という理由でカットしておくより、できるだけ丸ごとの状態で保存する方がおすすめです。
じゃがいもは冷凍できる?
じゃがいもは冷凍保存することもできます。
ただし、じゃがいもに含まれる水分が凍ることで組織が変化するため、保存方法によっては解凍後に食感が変わります。
家庭で使いやすい方法のひとつが、加熱してつぶしてから冷凍する方法です。
マッシュして冷凍する方法
- じゃがいもの皮をむく
- ゆでる、蒸すなどして十分に加熱する
- 熱いうちにつぶす
- 粗熱を取る
- 1回分ずつラップに包む
- 冷凍用保存袋へ入れて冷凍する
ポテトサラダ、コロッケ、ポタージュ、いももち、付け合わせなどに使いやすくなります。
家庭での冷凍では品質も徐々に変化するため、1か月程度を目安に早めに使い切るのがおすすめです。
冷凍保存は「じゃがいもを箱買いしたけれど、食べ切れそうにない」というときにも便利です。
新じゃがの保存方法は普通のじゃがいもと違う?
春から初夏などに出回る「新じゃが」は、収穫後あまり時間を置かずに出荷されるじゃがいもです。
みずみずしく、皮が薄いのが魅力ですが、その分、一般的な貯蔵じゃがいもと比べて長期保存には向きません。
農林水産省も、新じゃがは水分が多く、皮が薄いため緑色になりやすく、長期保存には向かないとしています。
購入後は光を避けて保存し、1週間程度をひとつの目安として、なるべく早めに食べ切るのがおすすめです。
「せっかく新じゃがを買ったから長く取っておこう」と考えるより、旬のみずみずしさを楽しめるうちに味わいましょう。
5kg・10kgのじゃがいもを箱買いしたときの保存方法

北海道産じゃがいもをお取り寄せすると、5kgや10kgなど、スーパーで購入するよりまとまった量が届くことがあります。
「10kgも買ったら、芽が出る前に食べ切れないのでは?」
と心配になる方もいるかもしれません。
しかし、届いた後のひと手間で状態を確認しながら上手に楽しむことができます。
1.届いたら一度箱を開ける
届いた段ボールを長期間そのまま放置せず、一度開封して中身を確認します。
輸送中の温度変化などによって湿気がこもっていないかも確認しましょう。
2.傷があるじゃがいもから先に使う
すべてを確認し、
- 傷がある
- 表面が擦れている
- 少し柔らかい
など、長期保存に向かなそうなものを分けます。
状態が良好なものは保存に回し、傷があるものから先に料理に使うと無駄を減らせます。
3.一度に全部洗わない
じゃがいもに土が付いていても、保存前にすべて水洗いする必要はありません。
保存する分は乾いた状態を保ち、調理する直前に洗いましょう。
4.段ボール+紙で光を遮る
配送に使われた段ボールを保存箱として利用することもできます。
新聞紙やキッチンペーパーを敷き、じゃがいもを入れて光を遮りましょう。
ただし、ふたを完全に密閉して湿気をこもらせないよう、通気にも注意してください。
5.一箱を「全部同時に保存」しない
5kg、10kgを購入したときは、最初から食べる順番を決めるのもおすすめです。
早めに食べるもの
傷があるもの、小さめのもの、状態が変化し始めているもの
保存するもの
傷が少なく、硬く締まっていて状態がよいもの
食べ切れない場合
加熱・マッシュして冷凍
と分ければ、大容量のお取り寄せでも使いやすくなります。
箱買いしたじゃがいもを飽きずに食べ切るには「品種」で使い分ける
じゃがいもをたくさん購入するときに、ぜひ知っておきたいのが「品種による違い」です。
じゃがいもは、どれも同じ味・食感ではありません。
例えば、
・ホクホクした食感を楽しみやすい品種
・煮崩れしにくく煮物に向く品種
・なめらかな食感を生かせる品種
・黄色や紫、赤など色を楽しめる品種
・甘みや風味に特徴がある品種
など、品種によって個性があります。
同じじゃがいも料理でも、品種を変えるだけで仕上がりが変わるのがじゃがいもの面白さです。
食べレア北海道では、北海道で栽培されるさまざまなじゃがいもの特徴や、おすすめ料理をまとめた「北海道じゃがいも大百科」を公開しています。
「ポテトサラダにはどれ?」
「フライドポテト向きは?」
「煮物で煮崩れしにくい品種は?」
など、料理に合わせて品種を選びたい方はぜひ参考にしてください。
芽が出たじゃがいもは食べられる?

芽が少し出ただけで、じゃがいもをすべて捨てる必要があるとは限りません。
ただし、じゃがいもの芽や芽の根元にはソラニンやチャコニンが多く含まれることがあるため、芽の周囲を含め、皮より内側までしっかり取り除く必要があります。
また、同時に皮が緑色になっていないか確認してください。
芽を取れば安全になると過信せず、じゃがいも全体の状態を確認してから調理しましょう。
緑色になったじゃがいもは食べられる?
じゃがいもが緑色になるのは、光を受けてクロロフィルが増えたためです。
ただし、緑色になったじゃがいもでは、天然毒素のソラニンやチャコニンも増えている可能性があります。
農林水産省では、緑色になった部分がある場合、皮より内側も含め、緑色の部分がなくなるまでしっかり取り除くよう案内しています。
広範囲が緑色になっているものや、苦味・えぐみを感じるものは無理に食べないようにしましょう。
なお、ソラニンやチャコニンは「加熱すれば大丈夫」とは言い切れません。
ゆでるだけでは十分に減らないため、調理前に芽や緑色の部分を取り除くことが大切です。
じゃがいもの保存に関するよくある質問
Q.じゃがいもは冷蔵庫に入れてはいけない?
通常は、冷蔵庫に入れる必要はありません。
暗くて涼しく、風通しのよい場所で保存するのが基本です。
ただし、夏場など家庭内に涼しい場所がない場合は、野菜室を活用できます。
長期間低温で保存した場合は、揚げ物や高温の焼き調理より、煮る・蒸すといった調理方法がおすすめです。
Q.じゃがいもは何か月くらい保存できる?
保存期間は、収穫時期や購入時の状態、品種、室温などによって大きく異なります。
条件が良ければ数週間から数か月保存できる場合もありますが、「○か月なら必ず大丈夫」と考えず、定期的に芽や緑化、傷みがないか確認しましょう。
Q.じゃがいもは洗ってから保存する?
基本的には、保存するじゃがいもを水洗いする必要はありません。
表面に付いた土を軽く落とし、乾いた状態で保存します。
調理する直前に洗いましょう。
Q.芽が出たじゃがいもは捨てる?
芽が少量で、じゃがいも本体に大きな異常がない場合は、芽とその根元・周囲を十分に取り除いて調理します。
ただし、広範囲に芽が出ている、緑化している、腐敗しているなど状態が悪いものは無理に食べないようにしましょう。
Q.じゃがいもの皮が緑色なのはなぜ?
光が当たったことでクロロフィルが増えているためです。
緑化したじゃがいもはソラニンやチャコニンが増えている可能性があるため、緑色の部分を周辺も含めて十分に取り除く必要があります。
Q.新じゃがは長く保存できる?
新じゃがは水分が多く皮も薄いため、長期保存には向いていません。
購入後は光を避けて保存し、1週間程度を目安に早めに食べるのがおすすめです。
Q.10kgのじゃがいもを買っても食べ切れる?
保存環境を整え、傷があるものから使う、料理に合わせて品種を使い分ける、食べ切れない分を冷凍するなど工夫すれば楽しみやすくなります。
家族で使う場合や、じゃがいも料理をよく作る家庭であれば、北海道産じゃがいもの箱買いもおすすめです。
正しく保存して、北海道産じゃがいもをもっと楽しもう

じゃがいもは保存しやすい野菜ですが、ただ置いておけばよいわけではありません。
大切なのは、
「光を避ける」
「涼しい場所に置く」
「通気を確保する」
「定期的に状態を確認する」
ことです。
基本は暗く涼しい場所での常温保存。夏場など適切な場所がない場合は野菜室を活用し、カットしたものは冷蔵、食べ切れない分は冷凍するなど、状態に合わせて保存方法を変えましょう。
そして、じゃがいもの魅力は「長く保存できること」だけではありません。
男爵やメークインをはじめ、北海道には食感、色、甘み、香りなどに個性を持ったさまざまなじゃがいもがあります。
煮物には煮崩れしにくいもの。
ポテトサラダにはホクホク感のあるもの。
フライドポテトには油との相性がよいもの。
そんなふうに品種を選んでみると、いつものじゃがいも料理がもっと楽しくなります。
食べレア北海道では、北海道各地の生産者が育てたじゃがいもを、旬の時期に産地からお届けしています。
保存方法が分かった今こそ、スーパーではなかなか出会えない北海道のじゃがいもを食べ比べてみませんか?
さらに品種の違いから選びたい方はこちら。
参考資料
・農林水産省「ソラニンやチャコニンによる食中毒を防ぐには」
・農林水産省「じゃがいもによる食中毒を予防するために」
・農林水産省「じゃがいもに含まれる天然毒素『ソラニン』や『チャコニン』に関するQ&A」
※保存期間は家庭の保存環境や購入時の鮮度、収穫後の日数などによって異なります。記事中の期間は目安として、食べる前には必ず状態をご確認ください。















