親鳥とは?若鶏との違い・硬いのにおいしい理由と北海道黒松内「親どり」の魅力

親鳥とは?若鶏との違い・硬いのにおいしい理由と北海道黒松内「親どり」の魅力

スーパーの鶏肉売り場でよく見かける、やわらかな「若鶏」。一方、日本各地には、しっかりとした歯ごたえと濃い鶏の風味を楽しむ「親鳥(おやどり)」の食文化があります。「親鳥ってどんな鶏?」「若鶏とは何が違う?」「硬いのに、なぜ人気なの?」

この記事では、そんな疑問をわかりやすく解説します。さらに北海道・黒松内町で昔から親しまれているソウルフードと、地元の丸田田中商店が手がける味付き「親どり」についてもご紹介します。

親鳥とは?採卵を終えた鶏などを食用にしたもの

親鳥と若鶏の違い

「親鳥」「おや鶏」と呼ばれる鶏肉には、主に卵を産む役割を終えた採卵鶏などがあります。農林水産省の食鳥流通統計では、採卵鶏または種鶏を廃用した鶏を「廃鶏」と定義しています。一方、一般的な「肉用若鶏」は、ふ化後3か月齢未満の肉用鶏です。一般的なブロイラーの飼育期間は47日前後とされるのに対し、採卵鶏はふ化後およそ5か月で卵を産み始め、その後長期間にわたって採卵に利用されます。農林水産省の資料では、150日齢ごろから産卵を開始し、その後1~1年半程度供用される例が示されています。この飼育期間の違いが、若鶏と親鳥の肉質の大きな違いにつながります。「どちらがおいしい」というより、まったく違う個性を持った鶏肉と考えると分かりやすいでしょう。

親鳥はなぜ硬い?若鶏にはない独特の歯ごたえ

親鳥を初めて食べた人が驚くのが、その食感です。「コリコリ」「ゴリゴリ」「噛み応えがすごい」と表現されることもあります。これは単なるイメージではありません。採卵を終えた鶏とブロイラーを比較した研究では、親鳥の肉はブロイラーより硬く、肉の硬さには加齢に伴うコラーゲンの性質の変化が関係していることが報告されています。つまり、親鳥の「硬さ」は欠点だけではなく、若鶏にはない個性でもあります。薄く切ったり、小さめに切ったり、タレに漬けて焼いたりすることで、独特の歯ごたえを楽しみやすくなります。

そして、親鳥好きが魅力として挙げるのが、噛みしめたときに感じる鶏らしい風味。やわらかさを楽しむ若鶏とは対照的に、親鳥は「噛んで味わう鶏肉」といえるでしょう。

 

親鳥は日本各地のご当地グルメでも活躍

親鳥は決して珍しいだけの食材ではありません。地域によっては、昔から親鳥ならではの歯ごたえを生かした料理が受け継がれています。

香川県「骨付鳥」の“おや”

香川県・丸亀発祥の名物「骨付鳥」には、やわらかな若鶏の「わか」と、噛み応えのある親鳥の「おや」があります。香川県観光協会も「おや」をかみ応えのある独特の食感が魅力と紹介しています。スパイシーな味付けと親鳥の力強い食感は、お酒のお供としても人気です。

山形県河北町「冷たい肉そば」

山形県河北町発祥の「冷たい肉そば」も、親鳥文化を代表する料理の一つ。鶏肉から取った甘じょっぱいだしに田舎そばを合わせ、親鶏のチャーシューとネギをのせるのが河北町式です。現在も町を代表するソウルフードとして親しまれています。こうした料理を見ると、親鳥の硬さは「食べにくさ」ではなく、料理によってはむしろ個性として生かされてきた食感であることが分かります。

北海道・黒松内町にもある「親どり」の食文化

北海道にも、親鳥が地域の味として根付いている町があります。それが、道南エリアに位置する黒松内町です。黒松内町では、自宅の車庫などで焼肉を楽しむ「車庫焼き」の際に親鳥を焼いて食べる文化があり、地元では親鳥が身近な味として親しまれてきました。黒松内の親どりは「町民の食とは切っても切れない存在」なのです。

北海道と聞けば、ジンギスカンや海鮮を思い浮かべる人が多いかもしれません。しかし、その土地で暮らす人々が長く食べ続けてきた料理に目を向けると、まだ全国にはあまり知られていない北海道の食文化が見えてきます。黒松内の「親どり」も、そんなローカルフードの一つです。

黒松内で長く親しまれる「丸田田中商店」の親どり

黒松内町で親どりを販売しているのが、丸田田中商店です。丸田田中商店は、戦後間もなく鮮魚店として創業。現在も家族で店を営み、魚介だけでなく「親どり」や「ほっけの飯寿司」など、地域に根付いた味を扱っています。食べレア北海道で販売されている「親どり」は、北海道産の鶏肉を丸田田中商店の秘伝のタレに漬け込んだ商品です。

原材料には、北海道産鶏肉のほか、醤油、清酒、オレンジ、砂糖、にんにく、とうがらし、コショウ、かつお節などが使われています。醤油をベースに、にんにくや香辛料を利かせた味付けは、しっかりとした親鳥の食感と好相性。しかも、すでにタレに漬け込まれているため、家庭では解凍して焼くだけで黒松内の味を楽しめます。

丸田田中商店「親どり」のおいしい食べ方

1.まずはフライパンでシンプルに焼く

初めて食べるなら、まずはそのまま焼くのがおすすめです。冷蔵庫で解凍した親どりをフライパンに並べ、中火程度で焦がさないように焼きます。タレには砂糖などが含まれているため、強火にしすぎると焦げやすくなります。表面の様子を見ながら火加減を調整し、中心まで十分に加熱してください。追加の調味料は基本的に必要ありません。ひと口噛むと、若鶏とは明らかに違う力強い食感。噛み進めるほどタレと鶏の風味が広がります。

2.北海道らしくBBQ・炭火焼きで

黒松内スタイルを楽しむなら、BBQにもぴったりです。網の上で香ばしく焼けば、タレの香りが立ち、親鳥ならではの歯ごたえもより印象的に。ビールやハイボールなど、お酒のお供にも合わせやすい味です。キャンプや自宅のBBQで、ジンギスカンとはひと味違う「北海道ローカルグルメ」を楽しみたい人にもおすすめです。

3.玉ねぎやキャベツと一緒に炒める

親鳥の食感が強すぎると感じる場合は、玉ねぎやキャベツなどの野菜と一緒に炒めるのもおすすめ。タレが野菜にも絡むため、別に味付けをする必要がほとんどありません。ご飯にのせれば「親どり丼」としても楽しめます。

親鳥についてよくある質問

Q.親鳥と若鶏の違いは何ですか?

大きな違いは飼育期間と肉質です。

一般的な肉用若鶏は若いうちに出荷されるため肉がやわらかく、採卵などで長く飼育された親鳥は、しっかりした歯ごたえがあります。

Q.親鳥は硬いですか?

はい。若鶏に比べるとかなり歯ごたえがあります。

ただし、その硬さこそが親鳥の特徴。薄切りや小さめのカット、タレ漬けなどによって食べやすくできます。

Q.親鳥はまずいのですか?

「やわらかい鶏肉」を想像して食べると、最初は硬さに驚くかもしれません。一方、しっかりした食感や噛みしめて味わう肉が好きな人には、その違いこそが魅力です。香川県の骨付鳥や山形県河北町の冷たい肉そばなど、親鳥の特徴を生かした料理が地域の名物として受け継がれていることからも、親鳥ならではの食文化があることが分かります。

Q.親鳥はどこで買えますか?

地域によっては精肉店などで扱われていますが、一般的なスーパーでは若鶏ほど多く流通していません。北海道・黒松内町の丸田田中商店の味付き親どりは、「食べレア北海道」から冷凍でお取り寄せできます。商品は北海道産鶏肉を秘伝のタレに漬け込んでいるため、解凍後に焼くだけで楽しめます。

「硬い」がうまい。若鶏とは違う親鳥の魅力

鶏肉といえば、「やわらかくてジューシー」であることがおいしさの条件だと思われがちです。しかし、親鳥の魅力はその正反対。しっかり噛む。噛むほどに味わう。その独特の食感を楽しむ。これこそが、親鳥のおいしさです。香川の骨付鳥、山形の冷たい肉そば、そして北海道・黒松内町の親どり。地域によって調理法は違っても、親鳥ならではの歯ごたえを生かしてきた食文化が、日本各地に残っています。中でも黒松内町の丸田田中商店が作る「親どり」は、北海道産の鶏肉を秘伝のタレに漬け込んだ、焼くだけで楽しめるローカルフード。いつもの若鶏とは少し違う鶏肉を食べてみたい方、噛み応えのある肉が好きな方、北海道のまだ知られていないご当地グルメを味わってみたい方は、一度試してみてはいかがでしょうか。

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