豊西牛とは?十勝・トヨニシファームの赤身肉と循環型農業:帯広牛
北海道を代表する農業地帯のひとつ、十勝。小麦や豆類、じゃがいもなどの畑作に加え、酪農・畜産も盛んなこの地域で、牛の肥育から食肉加工、販売まで手がけているのが、北海道帯広市の「有限会社トヨニシファーム」です。その代表的なブランドが、ホルスタイン種の赤身肉「豊西牛(とよにしぎゅう)」。「ホルスタイン=乳牛」というイメージを持つ方も多いかもしれませんが、乳牛として活躍するのは主に雌牛。雄牛は肉用として肥育され、日本の牛肉生産を支えています。トヨニシファームでは、そのホルスタインの特徴を生かし、脂身が比較的少なく、牛肉そのものの旨味を楽しめる「豊西牛」として2013年にブランド化しました。さらに同社では、交雑種の「帯広牛 BLENDED BEEF」、黒毛和牛の「雪美和牛・ゆたか」も展開しています。
今回は、北海道・十勝で育つ豊西牛の特徴から、トヨニシファーム独自の飼料設計、3つのブランド牛の違い、循環型農業、そしてお取り寄せでも楽しめる「豊西牛100%ビーフハンバーグ」まで詳しく紹介します。
1.「豊西牛」とは?ホルスタインの赤身を生かした十勝生まれのブランド牛
豊西牛は、トヨニシファームが育てるホルスタイン種の雄牛をブランド化した牛肉です。そのほとんどは地元・十勝で生まれた子牛。トヨニシファームで肥育され、約20か月かけて大きく育てられます。一般にホルスタインの肉は、黒毛和牛に比べるとサシが少なく、赤身の割合が多いのが特徴です。トヨニシファームでは、そこを弱点ではなく個性として捉え、「牛肉本来の旨味を味わえる赤身肉」として豊西牛を展開しています。「たっぷりの霜降りを楽しむ牛肉」とはまた違い、ステーキや焼肉、ローストビーフなどで赤身そのものの味を楽しみたい人に向いた牛肉といえるでしょう。

2.豊西牛のおいしさを支える「7段階の飼料設計」
豊西牛を語るうえで欠かせないのが、トヨニシファームが長年取り組んできた飼料(エサ)の設計です。同社では、牛の飼育段階に合わせて、配合飼料の割合を7段階に変える独自のオリジナルブレンドを採用しています。粗飼料には、自社農場で育てたデントコーンや麦わらを利用。さらに米粉や十勝の農産物を活用した発酵飼料なども取り入れています。
特に重要なのが、生後5~7か月頃の育成期です。この時期には、地元産の牧草、自家産の麦わら、デントコーンサイレージなどの良質な粗飼料を多く与えます。牛は「反芻動物」と呼ばれ、複数の胃を使って植物の繊維を消化する動物です。育成期にしっかり粗飼料を食べさせることで消化能力を育て、その後の肥育期に向けて体の基礎をつくります。
8~20か月頃の肥育期になると、コーンなどを含む配合飼料を中心に切り替え、牛の成長に合わせて育てていきます。つまり豊西牛の飼料管理は、単に「たくさん食べさせて大きくする」のではありません。成長段階ごとに必要な栄養と粗飼料のバランスを変えながら育てる。この積み重ねが、豊西牛の品質を支える重要な取り組みとなっています。
3.豊西牛・帯広牛・雪美和牛の違いは?トヨニシファームの3ブランド
トヨニシファームでは現在、それぞれ特徴の異なる3つの牛肉ブランドを展開しています。
豊西牛はホルスタイン種の雄で、脂身が比較的少なく、赤身の旨味を楽しめる牛肉です。
帯広牛 BLENDED BEEFは雌のホルスタインと雄の黒毛和牛との交雑種(F1)で、赤身と程よい霜降りのバランスがとれた肉です。
雪美和牛・ゆたかは黒毛和牛で、きめ細かな霜降りと和牛らしいくちどけが特長です。
豊西牛:赤身を楽しむホルスタイン
2013年にブランド化された、トヨニシファームを代表する牛肉です。ホルスタイン種ならではの赤身を生かし、牛肉そのものの味わいを楽しめるのが特徴。厚切りステーキや焼肉だけでなく、ハンバーグやローストビーフなど幅広い商品に加工されています。

帯広牛 BLENDED BEEF:赤身と霜降りのバランス
2021年にブランドとしてスタートしたのが「帯広牛 BLENDED BEEF」です。黒毛和牛の雄とホルスタインの雌を掛け合わせた交雑種(F1)で、ホルスタインの特徴と黒毛和牛の肉質をあわせ持つ牛です。トヨニシファームでは2016年から交雑種の飼育を始め、2018年に出荷を開始。2021年7月に「帯広牛 BLENDED BEEF」としてブランド化しました。豊西牛よりも霜降りを楽しみたい一方、「和牛ほど脂が多い肉ではなく、赤身とのバランスを楽しみたい」という人にも選択肢となる牛肉です。
雪美和牛・ゆたか|2024年に誕生した黒毛和牛ブランド
そして2024年4月、新たに登場したのが「雪美和牛・ゆたか」です。豊西牛、帯広牛に続く黒毛和牛ブランドで、「十勝に舞う雪のような美しい霜降り」をコンセプトとしています。赤身中心の豊西牛、赤身と霜降りのバランスを楽しむ帯広牛、そして黒毛和牛ならではの霜降りを楽しむ雪美和牛。好みや料理に合わせて選べることも、トヨニシファームの特徴のひとつです。
4.牛糞を堆肥へ。トヨニシファームが取り組む「循環型農業」
トヨニシファームの特徴は、牛肉づくりだけではありません。牧場の周囲では、牛と畑をつなぐ循環型農業にも取り組んでいます。牛舎から出る牛の排泄物は、堆肥として畑へ還元。その畑では、飼料用のデントコーンや小麦、にんにくなどが育てられています。さらに、小麦を収穫した後に残る麦わらは牛の粗飼料などとして活用されます。つまり、牛 → 堆肥 → 畑 → 作物・飼料 → 牛、という地域資源の循環が生まれているのです。畜産と畑作の両方が盛んな十勝だからこそ実践しやすい、耕畜連携のひとつの形といえるでしょう。

5.牛肉だけではない。もうひとつの看板商品「十勝の黒にんにく」
トヨニシファームには、牛肉と並ぶもうひとつの特徴的な商品があります。それが「十勝の黒にんにく」です。原料には北海道十勝産のにんにくを使用。自社農場だけでなく契約農家でも生産されています。収穫したにんにくを熟成させることで、一般的な生にんにくとは異なる、甘みとコクのある味わいへと変化します。トヨニシファームでは約50日かけて熟成させ、フルーツを思わせるような甘みと食べやすさを特徴として紹介しています。この黒にんにくは、そのまま食べる商品としてだけではなく、豊西牛などに合わせる「トヨニシソース」にも活用されています。牛肉と農産物を別々の商品として扱うのではなく、それぞれの特徴を組み合わせて商品化している点も、トヨニシファームらしい取り組みです。

6.豊西牛を手軽に楽しむ「豊西牛100%ビーフハンバーグ」
初めて豊西牛を食べるなら、代表的な加工品のひとつである「豊西牛100%ビーフハンバーグ」もおすすめです。使用している牛肉は豊西牛100%。さらに、赤身肉を8割配合し、豊西牛らしい肉の旨味を味わえるよう仕上げられています。厚みを持たせて成形することで、焼いたときに肉汁を閉じ込めやすくしているのも特徴です。
もうひとつ便利なのが、解凍せず冷凍のままフライパンで調理できること。温めたフライパンに凍ったままのハンバーグをのせ、蓋をして弱火~中火で片面約6分ずつ焼きます。最後に箸などを刺し、出てくる肉汁が透明になっているか確認するのが火の通りを判断する目安です。
付属するトヨニシソースには「十勝の黒にんにく」が使われており、醤油ベースの味わいと黒にんにくの甘み・コクが赤身肉と合わせやすいようにつくられています。ステーキを焼くのは少し難しそう……という人でも、豊西牛の特徴を家庭で気軽に楽しめる商品です。

7.豊西牛を北海道からお取り寄せ。ギフトにも
豊西牛や帯広牛の商品は、トヨニシファームの公式オンラインストアのほか、北海道の産品を扱うECサイト「食べレア北海道」からもお取り寄せできます。食べレア北海道では、豊西牛100%ハンバーグのほか、「帯広牛ローストビーフ&豊西牛ハンバーグギフト」なども販売しています。赤身を生かした豊西牛と、程よい霜降りを楽しめる帯広牛を一度に食べ比べられるセットです。自宅用はもちろん、お中元やお歳暮、誕生日、内祝いなどの北海道グルメギフトにも選びやすい組み合わせです。
※商品の販売・在庫状況は時期によって変わるため、最新情報は各商品ページでご確認ください。
豊西牛についてよくある質問
豊西牛は和牛ですか?
いいえ。豊西牛はホルスタイン種の雄牛を肥育したブランド牛です。「ブランド牛=和牛」と思われがちですが、ブランド牛という言葉は黒毛和牛だけを意味するものではありません。豊西牛はホルスタインの特徴である赤身を生かしたブランドです。
豊西牛と帯広牛の違いは?
豊西牛はホルスタイン種、帯広牛 BLENDED BEEFは黒毛和牛とホルスタインを掛け合わせた交雑種(F1)です。赤身を中心に楽しみたいなら豊西牛、赤身と程よい霜降りの両方を楽しみたいなら帯広牛という違いがあります。
豊西牛ハンバーグは解凍してから焼くの?
冷凍のまま調理できます。公式では、フライパンに凍ったままのハンバーグをのせ、蓋をして弱火~中火で片面約6分ずつ焼く方法が紹介されています。調理器具や火力によって焼き上がりは変わるため、中心部まで十分に加熱してください。
まとめ:十勝の農業とともに育つ、トヨニシファームの牛肉
トヨニシファームの牛肉づくりを見ていくと、豊西牛のおいしさは単に「十勝で育った牛だから」という一言では説明できません。牛の成長に合わせた7段階の飼料設計。育成期に粗飼料をしっかり与え、消化能力と体の基礎をつくる飼育方法。そして、牛から生まれる堆肥を畑へ戻し、そこで育ったデントコーンや小麦などを再び牛の飼育へ生かす循環型農業。こうした一つひとつの積み重ねによって生まれているのが、赤身の豊西牛、霜降りとのバランスを楽しむ帯広牛 BLENDED BEEF、黒毛和牛の雪美和牛・ゆたかという、それぞれ異なる個性を持った牛肉です。
北海道・十勝の牛肉をお取り寄せするなら、「和牛かどうか」「サシがどれだけ多いか」だけではなく、どのように育てられ、どんな味わいを目指している牛肉なのかにも注目してみてはいかがでしょうか。豊西牛は、そんな北海道の牛肉の多様な魅力を知るきっかけになってくれる赤身肉です。








